Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 太陽

太陽の小麦。中央の鏡に色が映る絵

小麦

正位 · #F5DEB3

牌の上にて、童は頑き牝馬に乗り、腕を広く開け、向日葵に縁取られたる野を過ぎ候。向日葵は高く立ち、その顔は地の上へこぼるる温もりを追ひて転じ候。彼らの背後にて、短き石垣が開けたる野と地平との間の線を辿り、世界が再び形づくられ印されたることを示し候。かつて物の縁が影の中に隠れたるところ、今は葉と茎との一つ一つが明らかにて、植物の一つ一つは光によりて定められ候。彼方に横たはるものを察する時は終はり、野の輪郭は確かな手にて描かれ、収穫は準備が調ひ、季節の業は全き視野の中に集められ候。

古き日より、これらの野は村の富と生とを定め候き。植物は、洪水の退きたる後、あるいは春の解けたる後、土へ押し込まれたる一掴みの穀物より育ち、一年の運の量りとなり候き。古き話にて、女の背に家へ運ばれたる束は、安全なる冬と満ちたる皿とを意味し候き。埃及の川に沿ひ、黎凡特の乾きたる気の中、遠き地平へ伸びる終はりなき平地を横切って、収穫はすべての望の転じる蝶番に候き。ここにて、重き穂は感謝するがごとく伏し、後に残る切り株は寝藁、籠、あるいは屋根の葺きのために集められ候。地の上に立つものは体と心との食物にて、下に残るものは土を編み合はせ、風に対してこれを保ち候。その植物は小麦に御座候。

広く開けたる土地にて、小さき町は季節の転り、鎌と大鎌との音、最初の嵐の前に穀倉へ転がる荷車に依り候き。水車は静かな流れの傍らに立ち、その石は麺麭となる粉を碾き出し候き。北方の駐屯にて、夏は短き客にて、播きて刈りたる種の一つ一つは数へられ、一塊の一つ一つが祝ふ理由に候き。植ゑ、待ち、刈る循環は、隣人を互いに縛る儀式にて、その運は穀物の潮とともに上り候き。

家の内にて、野の記憶は残り候。幾代の生地を捏ねる手にて滑らかにされし木の鉢に御座候。藁より作られたる箒は、炉より塵を掃き候。翌日の食事を保つために脇へ置かれたる嚢は、口を紐にて結ばれ、その中味は幾月の日照と労働との結果に御座候。肌寒き朝、薬缶は竈の上に沸き、粥の香を厨へ送り候。遠き野と、それらを卓へ運びし労働との静かな思ひ出に御座候。断片の一つ一つ、残る籾殻の一つ一つは用ゐられ、収穫の尊ばるるとき何も失はれず候。

今日、貴殿は手にて一塊を焼き、生地の緩き膨らみが野の忍耐の成長を響かせるに任すもよしと存じ候。床を掃き、一掃の一つ一つを刈りの記憶となし候へ。野あるいは園地の縁に沿ひて歩き、世話が地の上に印を残す様を見候へ。卓にて感謝し、食事の一つ一つが、かつて空しく見えて今は全き姿にて立つ地に根を持つことを記憶し候へ。

今日の色は小麦に御座候。
Lucky Color: Wheat — #F5DEB3豊かさは静かに、確かに、貴殿の手へ戻り候。

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