Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 塔

塔の黄。中央の鏡に色が映る絵

黄

正位 · #FFFF00

一つの塔が嵐の空に聳え、石は石の上に積まれ、その形は野心と、貴きものを内に庇はんとす衝動との証に御座候。夜は沈黙にて刺々しく候。突然にして絶対なる一瞬、天よりの落雷が空気を裂き候。雷は塔の頂の冠を貫き、冠は端より端へ転げて落ち候。壁は戦きて破れ、かつて守られたるもの、希望と秘事と、口にすれば危き話は、混沌の中へ飛び候。内なる世界は露はれ、夜は出でたるものにて永久に変はり候。

これは動揺の後に御座候。地には断片が散り、再生の約が御座候。災にて焦げたる庭にて、春の最も早き水仙が土を押し分け、脆き茎のみ残りたるところに喇叭を開き候。この初の花は黙せる合唱にて鳴り、閉じ込めらるることを拒み候。変はりにて揺れたる家の台所の卓にて、誰かは檸檬を切り、おろし金の畝に果肉を押し候。汁は突然の弧にて飛び、明るさにて空気をすぼませ、味と更新とを示し候。新たに割れたる蜂の巣は食料庫にて光り、蝋の房は卓へ蜜をこぼし候。甘さはしばしば隠れ候へども、永久に秘事には留まらず候。

地理は、自らの黙せる言葉にて天変を覚え候。古き交易の路にて、旅人は火山の縁より削りたる硫黄の塊を運び候き。火と動揺より生まれたる品は、塩と絹とに換へられ候き。高き山の峠にて、僧は菊の畑を守り、花の開く直前に固く巻きたる花を摘み候き。沸きたる湯に落とすとき、蕾は緩み、花弁は開き候。その所作は、嵐の後に緊張の解くる姿を映し候。番紅花の蕊、或は野の番紅花の心より染めたる絹の幟は、寺と宮廷とを飾り候。風が破れたる窓を過ぐるとき、布は日を捉へ、長き旅と深き変容との記憶にて光り候。

歴史は、塔の起ちて落ちる年代記に御座候。鉱夫はかつて、灯なき鉱脈へ金糸雀を先に送り候き。その鳥の歌は、危きの最初の徴にて乱れ候き。その在りかは、崩れの前に受け取る贈りの、しばしば警告のみなることを思ひ出させ候き。古への支配者は、金盞花と菊の糸より紡ぎたる胴衣を着候き。それは嵐を経て勝ちたる生存の印にて、各々の袍は廃墟の後の恩寵を主張し候き。夏の雹に打たれたる畑にて、麦の茎は伏し、最初の温かき日と共に再び立ち候。聖なる朝、麺麭を焼く者は蜂蜜に富む塊を割り、内に隠れたるものを供へて、新しきものの始まりを印し候。

動揺の中、ある人は檸檬を水へ絞り、その混じりにて昨日の災の残りを清め候。ある人は蜜蝋の細き灯を点じ、その柔らかき光にてひびの入りたる壁を、より柔らかきものに変へ候。傷みたる庭にて水仙を集め、窓の傍の水差に活け、或は熱き茶へ蜂蜜を攪き、嵐の後を静かなる希望の一種として味はひ候。

今日の色は黄に御座候。
Lucky Color: Yellow — #FFFF00割れ開くところに、光は常に待ち候。

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