Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 死

死の濃橙。中央の鏡に色が映る絵

濃橙

正位 · #FF8C00

馬に乗りし人は川の縁を越え、旗は静かにて、持ちたる淡き花は、二つの塔の立つ地平へ開くやうに候。暁の最初の縁は、それらのあひだに破れ候。静けさと動きのあひだの瞬間にて、終わりは失敗には御座なく、新しき輪郭を世へ押し込むことに候。空気は土と燼の味がし、何か古きものが馬の蹄の下に譲り、前に来たりしものが地へ渡されし後にのみ、日は到着するやうに候。

安那托利亜の遠き隅、風に曲げられし草を古き道の走るところにて、野生の杏の林は黙して立ち候。その果実は皺寄り、炎の如く明るく、夏の閉じに籠へ集まり候。その色は濃橙に御座候。土地の女は、年月の生地を捏ねしことより強き手にて、これらの杏を平らなる石の上に干し、甘さの深まり、果肉の密に粘り強くなるまで日の下に返し候。これは保存の儀式にて、寒き月のための養ひを譲り、熟しすぎたるものを手放すことで生の続く約束に候。半ばに割られ干されしこれらの杏は、遠くへ旅し候。絹の道の商人の袋へ、麺麭を焼く者の熱き窯へ、杏の樹が葉を失ひし後も久しく石の中庭に笑ひの響く子の手へ候。

瓦哈卡の高地の台にて、女は龍舌蘭の繊維より布を織り候。苦き果実の皮を煮、遅き花の碾きし花弁を煮たる釜に糸を浸し、骨を滲む記憶の如く布へ入る色を引き出し候。彼女らの作る肩掛は、婚姻の始まりに妻へ、その終わりに寡婦へ与へられ候。それぞれの肩掛は、山の冷えに抗して肩に巻かれ、去ることと着くこととの両方を印し候。家にて、これらの女は小さき火を世話をし、牧豆の心材にて養ひ候。煙は渦巻く柱にて昇り、香り強く、去りし者のための祈りと、生くる者のための希望とを伴ひ候。鍋の下の熾火は輝き、温みを約束し候へども、新しき炎の着き得る前に、一日の灰の掃き去らるることを要し候。

他所、西の撒哈拉にて、哈馬丹は吹き候。この風は、乍得の古き湖床より塵を運び、集落を掃き、昨日の足跡を埋め候。艱苦にも更新にも候。旧きものは磨かれ、空気は鋭く澄み、世は微かに香料と鉄の味がし候。風の後、商人は屋台を清め、干し柿と銅の藥罐の陳列より砂を払い候。彼らは再び始まり、同じ見慣れたる地の上に新しき境を辿り候。

それぞれの日の閉じに、人は杏を切り開き、種を植ゑし手を思ひ出だし候。炉より灰を掃き、次の食事の火のための場所を許し候。手織りの肩掛に身を包み、終わりたるものを尊び、始まらねばならぬものへ向かい候。風が戸口を清むるとき、立ちて到着したるものを吸ひ、頁を新たに印す用意をなし候。

今日の色は濃橙に御座候。
Lucky Color: DarkOrange — #FF8C00閾と、果実の最後の贈り物と、夜を越ゆる温みとが御座候。

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