Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 教皇

教皇の象牙。中央の鏡に色が映る絵

象牙

正位 · #FFFFF0

広間は静まり、磨かれし木と古き羊皮紙の香にて満たされ、中央に教皇の立ち、式の層を纏ひ候。指のあひだに鍵を持ち候。一つは献身の世界のため、一つは肉の世界のために候。足もとに二人の侍者は頭を垂れ、幾代を通じて渡されし儀式を映し候。後ろにて柱は立ち上り、祈を刻まれ、百の式の跡を帯び候。ここの空気は伝統の重みにて厚く、仕草の一つ一つは過去の響、言葉の一つ一つは数知れぬ足が前に形づくりし道に沿ふ一歩に候。

祭壇の上には彫りし印の一組のあり、一つ一つはかつて大なる獣の一部として育ちし材料より形づくられ、油の灯の輝きの中にて交易せし商人によりて沙漠と川とを越えて運ばれ候。印は触れれば涼しく、川の石と同じく滑らかにて、はるかに貴く候。その物語は記憶に先立ち候。幾世紀の前、王も祭司も同じくこれを貴び、式の短刀の柄、笏の先、あるいは古き将棋盤の桟に作り候き。阿弗利加と印度の大なる神殿にて、職人はかつて智の巻物のすべてをその表面に彫り、ここに刻まれしものの耐へることを信じ候き。

聖所の他所にて、低き卓が静なる食事のために整へられ候。白鳥の形に柄を作りし小さき匙が、飯の鉢の傍らにあり候。器の艶は、受け継ぎし技に巧みなる手の丁寧なる磨きの結果に候。匙の材料は稀にて羨まれ、季節風と旱とを冒し、平和の一季を願ひし商人の網の産物に候。道具と鈕、扇と小さき珠の物語もまたあり、いづれもこの同じ貴き物より形づくられ候。大なる家と謙なる小屋とを同じく、茶は杯に注がれ、その滑らかさは久しく失せし職人の規律を思ひ出させ候。

世界のある隅にて、雨は柔らかく均しく降り、都の怒りを静め、朝を柔らかき帷にて覆ひ候。これは時を緩める天候にて、家族を古き洋琴の鍵の周りにより近く引き、その表面は年月の奏楽と賛歌とにて磨かれ候。神殿の屏を通じて濾さるる光は祭壇の飾りに反射し、信ずる者の顔に柔らかき輝きを投げ候。これらの瞬間にて、習ひの執拗さ、源より遠く外れざりし仕方の柔らかき確かさが感ぜられ候。

今夜、渡されし仕方を敬ふには、人は彫りし形見の表面に手を走らせ、あるいは家の祠に蝋燭を灯し候。古き、家に伝はりし食器にて食事を調ふれば、前に来たりし者の忍耐を呼び候。圧されて重き頁の書より声に出して読み、あるいは稀なる材料にて尖を作りし筆にて文を書くことは、精神と家族との両方の系譜への省みを招き候。

今日の色は象牙に御座候。
Lucky Color: Ivory — #FFFFF0永らふる型と、伝統の静なる触れとを信じ候。

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