Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 世界

世界の麦色。中央の鏡に色が映る絵

麦色

正位 · #FFF8DC

牌の環の中にて、葉の花環は完全なる境をなし、中心の踊る人を抱き候。四つの生きものは隅より見守り、完成の物語の沈黙の証人に候。世の畑にて、穀の集められ、硬き仕事が豊かさへ熟したる後、静かなるものが残り候。穂の摘まれたる後、植物は列に立ち、穂の一つ一つは己が外套に包まれ候。それらの層の下に隠れ、細く光る糸の束は粒と殻のあひだに休み、約の如く柔らかく候。その糸の色は麦色に御座候。

幾世紀も、これらの畑は養ひと安心を意味し候き。されど、穀を守るものは己がならはしをも運び候。収穫にて慣れたる手に丁寧に引かれたる絹の如き糸は、小さき欠かせぬ用の多くのために保たれ候き。初秋、家族はこれらの糸を集め、温き足袋を裏打ちし、枕の角を詰め、あるいは年の最後の祭のための小さき形へ撚り候。繊細なる卵のための優しき詰め物と成り、生まれたるばかりの雛を抱き、亜麻布を新しく保たんとして抽斗に挟む香袋を満たし候。風の涼しく成るとき、糸は薬のために水に浸され、長き夜にそれが運ぶ味と宥むる静けさを覚ゆる祖母より伝へられ候。そのあひだ、四つの番、牡牛、獅子、鷲、天使は、定常、均衡、庇ひの印として立ち候。

これらの糸の旅は畑より遠くまで行き候。亜米利加の心にて、商人はかつて干したる糸を市のために束ね、道具、染、種と交はし候き。大河に沿ひ、船と籠にて、畑より町へ渡り、その柔らかさは遠き厨への途にて陶器と果実を包み候。平原と森の人のあひだにて、これらの糸は儀式の飾りと人形へ織られ、変はりの時を印し候き。花嫁は婚礼の櫃へ一房を挟み、子供は祭の冠へ編み候き。常に、足りることを告げ候き。足りる食、足りる世話、季節の回りを家が過ぐるに足りることに候。

天候さへこの巡りに加はり候。夏の嵐の過ぎ、空の澄むとき、これらの糸の筋は温き空気に捕はれ、株の上に夢の如く浮き候。子供はこれを追ひ、空なる糸を集めて袋を満たすとき笑ひ候。家にて、同じ植物にて作りたる箒は角を掃き、小さき秩序と再生の仕草にてその日の労働を閉ぢ候。厨にて、種を包みたる同じ絹は今や薬草の束を結び、あるいは新しき麺麭を抱くために籠を裏打ちし、いづれも終はりたる一つの巡りを次の始まりへ畳む行ひに候。

今日、貴殿は糸を熱き湯に浸して宥むる飲物となし、小さき籠を裏打ちして贈り物を抱き、あるいは残りたる糸を集め、抽斗のための手製の香袋を満たし候へ。守りたきものの周りに細き綬を結び、閉ぢと再生の刻を印し、巡りを貴殿の手の中にて静かに閉ぢさせ候へ。

今日の色は麦色に御座候。
Lucky Color: Cornsilk — #FFF8DC柔き終わりと優しき始まりにて、世の巡りは優しく結ばれ候。

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