Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 世界

世界の赤。中央の鏡に色が映る絵

赤

正位 · #FF0000

月桂の葉の花環は空を弧に走り、端はほぼ会ひ、楕円の門をなし、一人の踊る人はその中を動き候。腕は開き、四つの生きもの、獅子、牡牛、鷲、天使に縁取られ、いづれも隅より見守り、世の四つの縁の沈黙の番に候。その動きの中にて巡りは完成に近づき、綬は結びを待たず、祝ひと閉ぢのために結ばるる支度に候。周りにて、世の旅は図にされ候。山を越ゆる道、曲がる河、畑と森の上に拱をなす空に候。

久しく前、旅の終わりに綬は樹の周りに結ばれ候き。その結びは約を封じ、無事の帰りを覚え候き。都の心にて、市の店は路そのものより古き果実を並べ候。林檎は見慣れたる艶にて輝き、割れて開きたる石榴の傍に積まれ、宝石の如き種の一つ一つは約にて煌めき候。商人の秤は傾き、編みたる籠に高く積まれたる桜桃の房を量り、卓と厨へ向かひ候。近く、風化したる木の荷車は蕃茄を積み、夜明けに摘まれ、なほ土と蔓の香を帯び候。庭と林より集められたるこれらの果実は、同じ目的地へ到り、手が貨幣を養ひと交はすとき、巡りの閉ぢに候。その実の色は赤に御座候。

四つの生きもの、知られたる世の紋は、世紀の開くるを見候き。畑にて雛罌粟は風に頷き、花弁は戦と、得難き平安の記憶を思ひ出させ候。古き路に沿ひ、旗は都の門の上、塁の高み、行進の行列の手に拡がり、旅する者の帰りを印し候。厨より、煮物の定常の煮えは家族と友を卓へ引き、鍋は番椒と豆にて沸き、その香は集むる旅の終はりたる合図に候。薬缶は笛を吹き、茶の葉の上へ注ぐ支度にて、柄は用にて磨かれ、いづれの家にも備はるものに候。

地中海の縁にて、双耳壺はかつて葡萄畑の収穫を保ち候き。房は搾られ、汁はより長く残るものへ変はり、宴に集まる者のあひだに分たれ候き。はるか北にて、秋は瓶詰めと保存の仕事を運び、手は莓を壺へ滑らせ、先の寒き月のために甘さを封じ候。熱帯の森にて、鳥は葉の中を閃き、羽は輝きつつ種を集め、雨季の閉ぢるとき巣を築き候。綬を結ぶこと、食事を煮ること、実りを保存すること、閾を印すこと、いづれの行ひも、聖となされたる終わり、新しき道の開く前の最後の結びを語り候。

今日、人は厨の台に苺の鉢を出し、朝の麦粥に干したる蔓莓を一把散らし、あるいは完成の印として絹の綬を書の頁へ挟み候。古きならはしは耐え候。運のために手首の周りに紐を結び、あるいは日の中へ出づる前に上衣へ花を留め、巡りの閉ぢと、新たにされたる世の約を静かに認め候。生きもの、獅子、牡牛、鷲、天使は見、覚え、始まりを終わりへ縛る結びの証人に候。

今日の色は赤に御座候。
Lucky Color: Red — #FF0000綬は結ばれ、環は完成し、世は貴殿を前へ迎へ候。

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