牌の中心にて、人は楕円の花環の中に舞ひ、月桂にて編まれたる生きたる縁に候。周りにて四つの生きものは見守り候。獅子、牡牛、鷲、人の顔、いづれも隅より覗き候。花環は終わりと到着を印し、門にして冠なる葉の拱に候。踊る人の綬は手の中に曲線をなし、長き巡りの閉ぢを祝ふ祭の吹流しの如く尾を引き候。
世の回るにつれ、祭は遠き谷と日の当たる厨、収穫より香にて覚えらるる畑に響き候。かかる一つの場所にて、空気はある花の在りにて印され、春と盛夏のあひだの閾に咲き候。花弁は控えめにて揺らがず、地の近くに群がり、時に草のあひだに隠れ候。小さき束に集められ、窓辺の硝子の杯に置かれ、静かなる室を、守られたる約の記憶の如く甘く恥ぢらひたる香にて満たし候。その花は堇に御座候。
伝へは、遠き山より運ばれたるこれらの花を語り候。河と岩の峠を渡りたる者の外套の裾に運ばれ候き。布に着き、種は襞に包まれ、旅する者の休まるところごとに根づき候き。古の市にて、これらの花の束は貨幣には御座なく、旅の無事の帰りの印として手を交はし候き。僧院の薄暗き角にて、その精は浸剤と膏へ入り、傷を閉ぢ、家より遠く彷徨ひすぎたる心を定むると信じられ候き。
嵐は時に、これらの花の低く横たはる丘の上を過ぎ候へども、雨の後、空気は優しく軟らかく成り候。花弁は輝き、空の澄むにつれて香は立ち候。ある村にて、老いたる女はなほこれらの花の鉢を戸の外に置き、夜明けを迎へ、失はれたるものは日が花弁に触るるとき帰り路を見出だすと信じ候。牌の生きもの、獅子、牡牛、鷲、人は、丘の上を動く天候に響き候。強く忍耐にて、野にて賢く、すべて年ごとに花を運ぶ回りの一部に候。
厨にて、誰かはこれらの花弁の一把を澄みたる蜜の液へ掻き混ぜ、甘さの解くるまで匙を回し候。子供は最初の味を渡され、味は花の如く捉えがたきまま、舌に残り候。卓は、縁に沿ひて同じ花を縫ひたる布にて整へられ、一つ一つは小さき丁寧なる結びに候。閾にて、弓に結ばれたる綬は、終はりたる物語と新しき招きを印し、踊る人自身の曲がりたる道に響き候。
今日、貴殿はこれらの花の小さき束を摘み、朝の光の落ちるところに置き候へ。花弁を一杯の水へ掻き混ぜ、緩く啜りて帰りの味を思ひ出し候へ。細き綬を貴殿の手首、あるいは戸口を横切つて結び、閉ぢたる巡りが新しきものの始まりと成る印となし候へ。眠りの前、愛しき書の頁のあひだに干したる花を押し、次の折り返しにて貴殿を待つことを知り候へ。
今日の色は堇に御座候。
Lucky Color: Violet — #EE82EE花環は閉ぢ、綬は結ばれ、旅は休息を見出だして、その香を貴殿とともに運ばれ候。