Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 太陽

太陽の火赤。中央の鏡に色が映る絵

火赤

逆位 · #B22222

牌の童はなほ前へ乗れども、光は終はりなく、陰を剥がされ候。前の地は伸びて乾き割れ、面は夏の風に掃かれ、目を刺し、一歩ごとに足に沿ひて疲労の線を引き候。かつて日の下に涼しかりし道は、今や多くの日の熱の記憶を放射し、砂は足下に碾かれ候。童の背に掛けたる布は、かつて柔らかくも、塩と塵とにて硬くなり、広大なる平原の香、暗むことを拒む空の下にあまりに長くされたる旅の感を運び候。遠きところにて、古き窯の低き石垣が立ち、その四角の口は日へ開け、かつて内に荒れし火の記憶がなほその空洞の心に着き候。その煉瓦の色は火赤に御座候。

地そのものが耐久のために鍛へられたるやうに見ゆる場所が御座候。古き川床の近くに集まる村にて、土は手によりて積まれ形づくられ、塊の一つ一つが汗と季節との証に御座候。これらの塊は火の中に硬く焼かれ、家と井戸と公共の広場とへ落ち着き候。足下にて、失敗したる試みの断片が道に並び、欠けたる縁は幾年の通過によりて滑らかに磨かれ候。窯の残りは、作られたるものと後に残されたるものとの間の縁を印し候。風雨にさらされた壁、破片の散る地、日は両者の上に容赦なく打ち候。

他の土地にて、町と町との間の長き道の上、旅する者は乾きの教訓を学び候。靴は多くの里程の滓にて固まり、底は平らに押され、小石にて印され候。影の消える時刻、感覚は歩くことより耐へることに近く、地との緩き交渉にて、距離の約束は足の疲れたる上げにて量られ候。肩の布は重く、使用にて粗くなり、古き熾火の色にて、旅の終りに低く焼かれたる焚火の記憶を保ち候。それは日の中に幾度も乾きたる布にて、頸の周りに集めらるるとき、襞は硬く塵にて爆ぜ候。

厨にて、鍋は竈の上に煮え、内の汁は泡立つにつれて濃く暗くなり候。厨人は身を乗り出し、木の匙にて攪拌り、胡椒の籠に山と積まるる市、鋭く土の香を思ひ出し候。ここにて、日に干されたるものは碾かれ混ぜられ、緩き熱によりて、隊商による旅、硬き光の中に集められたる収穫、遠き場所の味を語る何物かへ転ぜられ候。鉢は重く、道の縁の窯とよく似たる窯にて焼かれ、その面は窪み、炎の記憶にて印され候。

時に、乾きの心にて、雨の記憶は残り候。煉瓦に変はりたる湿りたる土の圧、今や渇くものがいつの日か和らげらるるとの約束に御座候。天候はなほ確かに保ち候。終はりなき雲なき熱が、気の中に震ひ、すべての香と音とを静けさへ引き候。地平は煌めき、唯一の慰めは手の丁寧なる業の中に見出だされ候。形づくり、世話をし、黄昏がついに休息を運ぶ瞬間に備へることに御座候。

今日、貴殿は手にて麺麭を形づくり、生地の抵抗と温もりとを感じるもよしと存じ候。頑き靴にて粗い道を歩き、一歩一歩をして長き道と古き交易とを思ひ出させ候へ。干したる胡椒を油に浸し、香をして厨を満たさせ、あるいは多くの夏を知りたる毛布に身を包み、粗くもその重みにて慰めとなることに候へ。

今日の色は火赤に御座候。
Lucky Color: FireBrick — #B22222耐久と記憶とは炉と足下とに静かに定まり、確かな手と火を記憶する心とが今日を形づくり候。

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