塔の絵にて、雷は暗き空を叉に分かれ、石は灰泥より緩み、壁は戦き候。されど牌が逆位となるとき、構造は瀬戸際に立ち候。土台はひび入り候へども堪へ、その形はなほ塔と呼ばれ候。警告の後に間が御座候。雷の後の塵の如く沈む静けさに候。崩れは完きには御座なく候。動揺は多く表面の下に隠れ、次の一撃を待ち候。
幾世を通じて、人は災の後の瞬間が常に廃墟には御座なく、落ち着かざる継続なることを認め候き。加勒比の、嵐に打たれたる夜、鐘は、災にて自らを定めらるることを拒みたる者の集まりを知らせ候き。その先祖は縛めを逃れ、森の厚き心、或は山の高き尾根に自らの集落を築き候き。彼らは堪へ忍ぶことに響く名を以て自らを呼び候き。これらの共同体の話は、生きるための辛抱にて築かれ候。その台所にて、鋳鉄の鍋は豆を煮えさせ、豆は塩漬けの豚肉と多香果との精を緩やかに吸ひ、食事は厚くして支えるものに候き。泥の道にて擦られたる頑丈なる靴は戸口の傍に休み、次の用か逃れかを待ち候き。甘き羅望子の莢の絡みが籃よりこぼれ、粘りて酸く、飢ゑと渇きとよりの救ひを約し候き。
遠き市にて、厳かな儀式のための布は海の向ふより着き候き。厚く織られ、地位と自敬とを示す深き色を通され候き。この布の一続きは祭壇と肩とを同じく覆ひ、誇りと生存との印に候き。旧き秩序は木立の先より脅し候き。卓の上、焼きたる栗は彫られたる木の鉢の中にて冷え、殻は割れて内の肉を示し、変容は最初の一瞥にて常に見え候には御座なく候といふ静かなる思ひ出に候き。夕の空気は近く押し、遠き雨の息にて重く、嵐にても静けさにてもなく、そのあひだの何かに候き。
家の内にて、継ぎ鑿は半ば終はりたる継ぎの傍に横たはり、繕ひの辛抱なる仕事は止まり候へども忘れられず候。構造はこの労にて堪へ候。壁は繕はれ、梁は据ゑ直され、旧き割れは新しき面の下に残り候。寝台の下、擦り切れたる肩袋は乾きたる葉と秘めたる控へとを抱き候き。逃れの記憶と、要らば帰る約とに候。炉の傍、洛神花の茶の鍋は冷え、その湯気は灯の光の中に夜への供へとして上り候。警報の後の時刻は、集まること、煮ること、繕ふこと、覚えることに用ひらるるならば、徒らには御座なく候。
今日、貴殿は豆の鍋に塩漬けの肉の一片か、香料の一握りかを入れて煮えさせ、温かさの台所に滲むを任せ候。擦りたる道具を復し、柄に油を差し、継ぎを締め候。小さき儀式のために厚き布を敷き、卓か肩かに掛けて、尊厳の一瞬を主張し候。夕にて、焼きたる栗の鉢を手の届くところに置き、割り開いて小さき勝利を印し、なほ来る仕事を認め候。
今日の色は臙脂に御座候。
Lucky Color: Maroon — #800000嵐は遅れ候へども教へは残り、残るものより再び始まり候。