Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 塔

塔の白。中央の鏡に色が映る絵

白

正位 · #FFFFFF

雷は夜を裂き、雲より投げられたる一筋の力が走り候。遥か下にて石は割れ候。廃れたる尖塔の先にて環が落ち、その話は一瞬にて解かれ候。塔はもはや立たず候。室は空気に晒され候。封じ込められたるもの、幾世の石積の奥に隠れたるものは外へ溢れ候。灰と、羽と、口にせざるものとが御座候。突然の嵐にて世界は開かれ、秘事は力にて放たれ候。

古き神話にて、破壊は常に清めの試練と共に来り候。洪水は都を押し流し、聖なる火は古き屋根を食ひ候。大水の後に残る塩の殻の記憶が御座候。それは朝に光り候。大聖堂と城は、雷に打たれたる空の下にて焼け候き。壁のありたるところには白亜の線のみ残り、街には砕きたる貝の粉が残り候き。羅馬が最も悪しき夜に遭ひたるとき、祭司は敷居に粉を散らし、破れたる聖性を印し、空しさより再び始め候き。

廃墟の傍にて、冬の天候が災の後に続き候。初の雪の始まるとき、静けさは落ち候。片は砕けたる石と絡みたる根の上に集まり候。各々の片は消されたる境界にて、ありたるものと来たるものとのあひだに、柔らかく落ちる間に御座候。下なる世界は覆はれ候。壊されたるには御座なく、静められ、息をつく場所を与へられ候。北方の地にて、嵐の過ぎたる後、畑は同じやうに覆はれ、暴力の残りは新しき粉の静けさにて鎮まり候。

家の内にて、夜を生きたる者は集まり候。彼らは亜麻布を傷に押し、残りたるものにて作る食事のために布巾を畳み候。麺麭は簡素にて淡く、割られて分たれ候。卓布は新たに敷かれ、糸は痩せ候へども正直にて、生の続く徴に御座候。動揺の時、人は清くして印なきものへ手を伸ばし候。新しき名を記す用意の頁、落ち着かざる子を鎮むるために注がるる乳、記念のために点ぜらるる一本の蝋燭が御座候。儀式は簡素に御座候。急ぎたる朝食の後、床に残る卵の殻、米の鍋より上る湯気が御座候。各々は始まりにて、他のすべてが落ちたる後の明瞭さにて、常のものが聖なるものと成り候。

歴史は、終わりと始まりとの跡を同じ息にて保ち候。遠き昔の修道院にて、僧は困難の夜の後に大理石の段を磨き、新しき羊皮紙を出して年代記を始め候き。絹の道にて、商人は品を紡ぎたる繊維に詰め、嵐の後の安全なる旅を望み候き。畑にて、獣の骨は集められ、清められ、脇に置かれ、開けたる空気の中に休むを許され候き。世界は傷痕を見せ、割れ目より光を入れることで自らを改め候。

今日、ある人は敷居に粉を散らし、新しき始まりの場所を印し、或は柔らかき布巾を膝に畳みて、争ひの後の静けさにて食事を分ち候。空きたる紙に新しき手紙を書き、或は窓の傍に蝋燭を点ずれば、崩れの後の静けさが日々の生の一瞬に来り候。これらは、嵐を潜りたるものを尊ぶ方法に御座候。

今日の色は白に御座候。
Lucky Color: White — #FFFFFF嵐ののちは夜すら明かに成り、隠れたるものも再び始まり候。

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