星
XVII
正位
水辺に跪き、二つの瓶より水を注ぐ人が御座候。頭上には大きなる星が御座候。星は、災難の後に残る静かなる希望の牌に御座候。
希望は、問題の消えたる合図には御座なく候。夜にても汲める水があり、注ぐ先が地面と水辺の両方にある、といふ事実に御座候。一つは大地へ返し、一つは流れへ返し候。
今日のこの牌は、大きなる約束より、夜になし得る小さき補給を象り候。星は遠く、瓶は手元に御座候。
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金 貴殿の行ひを希望の器となし、小さき宝は思ふより近くに御座候。
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黄 希望は常のものに光り、飲み、迎へ、再び始まり候。
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浅黄 亜麻布を透く初の光の如く、柔らかく希望を運び候。
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白 新しき始まりを希望の行ひとなし、貴殿の一日を更新にて織り候。
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空青 開けたる空は貴殿の希望を導き、大きなる星は一日を見守り候。
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水色 澄みたる池は明日の約を、確かにて明るく抱き候。
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浅海緑 水の記憶が貴殿の歩みを導き候。
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薄群青 希望は静かにて初の光の如く確かにて、柔らかき帰りは常に水より始まり候。
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蜜緑 希望は貴殿の食卓の甘き椀にて、これは柔らかき始まりに御座候。
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矢車青 水の地へ帰るを信じ、堪へたる花の柔らかき在りかを見、希望の改まるところに上なる星は響き候。
逆位
瓶は傾き、水は同じ場所にのみ落ち候。星は見えざるには御座なく候。星を見るために夜そのものを拒み候。希望は、今すぐ全部が良くなるといふ要求に変はり候。
星が逆位となれば、回復を信じられざる疲れか、回復を急ぐ焦りが、注ぐ動作を乱し候。
今日のこの牌は、空を確信してより水を注ぐには御座なく、手元の瓶を一度のみ地面に傾けることを象り候。
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夜青 夜青は黄昏と暁のあひだに置かれたる話の色にて、今夜、貴殿の傍に御座候。
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紺 遠き光の変はらざるを信じ、瓶は空にてなほ星は上に御座候。
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濃石青 確かなる地平は次の雨を待ち、乾く池の窪みを辛抱が満たし候。
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薄墨 辛抱と常のものの静かなる堪へが貴殿を支へ、世の控えめなる道が導きに御座候。
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石鼠 今夜、静かなる道具は記憶を抱き、石は黄昏を保ち候。
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浅石鼠 間に堪へ候へば星は常に上にあり、石の記憶は静かにて長きに御座候。
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砂色 乾季は自らの約を持ち、待つ間にも星は残り候。
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濃砂 閾にて身を鎮めれば、貴殿は水の帰りを信ずることを学び、静かに待つものは力を集め候。
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革色 辛抱を貴殿の伴となし、空は自らの時に開け候。
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赭 静けさは希望の形とも成り、椀は再び満たされ候。