Colors for the Fool

今日の色を、牌より引く

牌を引く / 星

星の濃石青。中央の鏡に色が映る絵

濃石青

逆位 · #483D8B

池の縁にて、水がかつて打ちて遠き光を映したるところ、地はひび入り、塵が線の中に集まり候。意図して置かれたる器は残り候。今は空にて、その唇は乾き、その腹はかつて運びたるものの記憶にて響き候。星はなほ頭上に瞬き、確かにて手の届かず、見守れどももはや近くへ引けざるかの如く候。ここの空気は涼しくして待ち、沈黙は終はらざるものの重みにて保たれ候。

高地の町にて、日は早く夕へ落ち候。切り出されたる石板の旧き屋根は近く押し合ひ、その面は幾年の雨と冷えとにて粗く候。そのあひだ、宿と家の戸口はもう一つの分ちを印し、旅人は立ち止まり、山の材より作られたる滑らかなる手摺に手を休め候。話にて、石板は注意して地より引き出され、各々の片は割られて形づくられ、始まりとある最終との両方を印す労に候。ここに石板は天候に対する盾のみには御座なく、かつて谷を彫りたる川の記憶、石を削りつつ歌ひたる労働者の記憶に候。池の退き、器の怠けるとき、残るはこの庇にて、涼しく、固く、堪へるものに候。

上にて、黄昏は残り候。北にて、嵐は集まり、空を横切る見えざる線に引かれ候。風は野生の百里香と湿りたる岩の如き香をもたらし候。雲が注意して自らを下げ、遠き丘の肩に外套を掛くる夕が御座候。ある伝説にて、人はこのやうな夜を見守り、嵐の縁が旧き世界よりの文の通るところと信じ候。空は蓋と成り、希望の漂ふを感じたる者は静けさを聞き、待つ儀式を思ひ出し候。時に、雨の落ちるのが緩きとき、落ち着かざる静けさが続き、空の瓶の骨を満たす満ちたる静止が御座候。絶望には御座なく、変はりの前の間に候。

台所にて、古き塊より彫られたる臼が棚の上に休み、その重みは辛抱の証に候。ここに香草は丁寧なる手にて碾かれ、苦き香を放ち候。音は律にて執拗に、水が池の縁にて動きしやうに響き候。厨は先祖の仕事を覚え候。岩の丘より借り、道具と庇との両方を形づくりたる者に候。薄明の中、女は臼を脇に置き、水の乏しきときにも労の続くことを知り候。

野生の場所にて、杜松は地へ低く拡がり、その根は石のあひだに強く、その実は枝に固く着き候。牧人は過ぎ、上衣は近く引かれ、長靴は不均一なる道を叩き候。彼らは風の起ちて移るを見、石板の張り出しの庇と、嵐は運の如く常に動くといふ知とを頼み候。光の薄きとき、牧人は立ち止まり、池の縁に残るものへ黙せる挨拶を供へ候。器の再び満たさるるとき帰る約、恐らくそれに候。

今夜、ある人は窓の傍に石を置き、散りたる雷に対する盾となし候。ある人は頑丈なる屋根の庇の中に静かに坐り、雨の最初の遠き転びを聞き候。古き臼にて百里香の数枝を碾き、香の残るを任するに足り候。眠る前、ある人は空の器の線を辿り、それが再び水にて重くなる日を思ひ描き候。

今日の色は濃石青に御座候。
Lucky Color: DarkSlateBlue — #483D8B確かなる地平は次の雨を待ち、乾く池の窪みを辛抱が満たし候。

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